フィトテラピー − 体と心が美しくなる処方箋

月とヒペリカム

瑞々しい青葉が輝き、すっきりとした風が草木を揺らし心地よい葉擦れの音が、色彩とともに五感をくすぐります。まさに爽やかなゆらぎの季節。写真は、昨年いただいた切り花だったヒペリカム。水のなかで根っこ出しをして年を越し、この春の欠ける月の頃に土に植え替えました。新月にむかう植物は、その内側の流れ(内分泌)を根っこへと降ろしていきます。そして新月のその時、根っこは土のミネラルをチカラいっぱい吸収します。そんな土と根っこのやりとりのなかで、根はその地に根付き、命の土台を確固たるものにするわけです。

我が家のヒペリカムは水から土へと移りましたが、住まうわたしに似て(?)かなりゆっくりと新たな土の世界に同調してきた様子。植え替えた一時期、生長が止まったかのように感じたものの、先月の満月にはしっかりとかわいい新芽をいくつも出しました。月が地球に寄り添い、この惑星の命の育みを導いていることは今や知られていること。それでも改めてそのリズムの妙を感じる時、深遠なる宇宙と同調しているこのめぐりに、全てはひとつの流れのなかにあるのだと気づかされます。

5月はまさに新緑の時。高まる光にむかって植物たちがおおきく伸びる季節です。人間の世界でも新たなるスタートを切る時期でもありますね。そんな今、ますますアグレッシブに進む人、逆に、新たな環境のなかでなかなか気持ちにスイッチが入らない人、あるいは、スイッチは入ったはずなのに少し息切れしちゃった人・・・いろいろでしょう。もし、心に体にチカラが入らないような方は、もしかしたら自らの野生のリズムと現実のリズムが、同調しにくくなっているのかもしれません。しかしチューニングのペースは人それぞれ。

さて、ここでヒペリカム。
ヒペリカムとは、ハーブの世界では"セントジョンズワート"と呼ばれるメディカルハーブです。(写真のヒペリカムは園芸種のものですが) 心に太陽のような明るさを取り戻すとされ、別名"サンシャインハーブ"とも言われます。心身のととのえに大切な自律神経のバランスをとることでも知られています。心身のバランスに不具合を感じる時、ぜひ、このセントジョンズワートを試してみてください。ハーブサプリメントやハーブティなどでゆっくりと飲み進めてください。それぞれの地とつながるようにチカラをかしてくれるはずです。・・・ペースは人それぞれ、そして輝き方もそれぞれ。私も我が家のヒペリカムを愛でながら、植物たちに倣い、自分の内にある野生を月と同調させながら、この光増す世界にむかって、ゆっくりと自らを育んで参りたいと思います。

※セントジョンズワートは、安定剤(抗うつ剤)や睡眠導入剤 等のお薬との併用は避けてください。

2019年5月5日 

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塩見麻衣美
植物療法士

東京生まれ O型
太陽星座 牡牛座
月星座 双子座

◇これまでの経緯
アパレルメーカー販売を経験後、広告代理店にて店頭販促の企画に従事。後に大手菓子メーカーに転職し、レジャー施設開発プロジェクトにて商業施設の企画開発に携わる。多忙な毎日のなか、心と体に不調を抱えるようになり、2003年にフラワーエッセンスに出逢いその力に魅了される。体の不調は様々なハーブや精油によって癒され、植物のヒーリングパワーに強く引き寄せられるようになる。在職中の2005年頃から本格的に植物療法士を目指し学び始める。資格取得後、「カリス成城」初台店にて販売勤務を経て、現在はフリーの講師業をメインに、高齢者介護施設でのアロマトリートメントのボランティア活動や、ライフテーマとして“月とハーブと心と体”について独自に探求する日々を送っている。

◇学びの経緯
*2006年 ニールズヤードにてフラワーエッセンス講座「ヒーリングハーブス アドバンストコース」修了。
*2006~7年 植物療法講座「ヘルス&ビューティ」コースにて植物療法士1級の資格取得。(国際植物療法協会/現在:一般社団法人自然療法機構認定)
*2012年 自然療法士資格認定を取得。(一般社団法人自然療法機構認定 )

◇活動◇
*笹塚の自宅にて“月とハーブと心と体”をテーマにした小さなワークショップを不定期に開催。
*2011~13年の1月に響探求会にて「月とハーブ」をテーマにお話をさせていただいている。(響探求会では受付のお手伝いもさせていただいている。)
*2013年秋より九段下にて「月のリズムとハーバルビューティ」講座、「仕事に生かせるアロマ&ハーブ」講座などの開講を準備中。

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