古代ヨーロッパに広く暮らしていたケルトの人々は、
森や川、風や月──あらゆる自然に
「いのちのひそやかな力」が宿ると信じていました。

木は大地の先人としていのちを導き
太陽と闇のめぐりは、すべての存在にリズムを授ける。

ケルトの神秘とは、特別な伝説や魔法ではなく、
自然界がささやき続ける声に耳を澄まし、
その「理(ことわり)」を受けとめる感性そのものなのです。

初夏に植物を求めて旅したイギリス。
車窓に広がる麦畑や牧草地。
風にそよぐ巨大な樹木や古代の遺跡は、
まるで時の層を重ねながら、
ケルトの記憶を今に伝えているようでした。

なかでも印象的だったのは、
アーサー王伝説が今なお
色濃く残る街・グラストンベリー。
街を見下ろす高い丘にそびえる
グラストンベリー・トーは、
かつて聖ミカエルに捧げられた教会が建ち、
大天使ミカエルの聖域とされてきた場所です。

空に抱かれるような視界のなか、頂上を目指すと、
そこには空洞化した朽ちた塔が残されていました。
建物の中心に立ち、空を仰ぎ見ると、
時空の扉の入り口に立ち、
吹き抜ける風とともにケルトの神秘世界へ
足を踏み入れたような感覚に包まれました。

ケルトの自然信仰は、宇宙の根源的な光と闇から始まり、
樹木が導き手となって地上のいのちを
守護してきたことに表れています。
その教えは、ただの知識ではなく、
風や樹々を前にしたときにふっと胸に宿る感覚。
私たちに大いなる視点を授けてくれる叡智が、
そこには確かに息づいています。
あらゆる自然界に神を見出し、
そのリズムを敬ってきた
私たち日本人の感性とも深く共鳴しています。

旅の最後、グラストンベリーの丘で出会った
クラブアップルの若木。
未来へ命をつなぐ「希望」の象徴は、
古代から現代へと放たれた
メッセージのように感じられました。
そしてその実りの赤は、
大天使ミカエルの色でもあり、
闇の季節を生き抜くために欠かせない
「内なる熱」を示しているように思えました。

11月1日「サウィン」
ケルト暦で夏の終わりと冬のはじまりを告げる、
新しい年の祝祭。
今年の「月の冬じたく展」では、このサウィンに寄せて、
初夏に訪れたイギリスの大地で触れた
ケルトの感性をテーマに、
小さな「ケルト祭」として展を開きます。

古代から連綿と続く記憶をなぞりながら。
ケルトの光の記憶と、
イギリスの暮らしに宿る自然との響き合いに触れながら。
季節の扉を静かにくぐるひと時をご一緒しましょう。

そしてこの変容の時代に、
りんごや赤が教えてくれる「魂の熱」を、
自分の中に灯すひとときとなりますように。

どうぞ赤いものをひとつ
身につけてお越しください。
赤は、りんごの実りであり、
炎のあたたかさであり、魂の熱を宿す色です。

古代ヨーロッパに広く暮らしていたケルトの人々は、森や川、風や月──あらゆる自然に「いのちのひそやかな力」が宿ると信じていました。木は大地の先人としていのちを導き太陽と闇のめぐりは、すべての存在にリズムを授ける。

ケルトの神秘とは、特別な伝説や魔法ではなく、自然界がささやき続ける声に耳を澄まし、その「理(ことわり)」を受けとめる感性そのものなのです。

初夏に植物を求めて旅したイギリス。車窓に広がる麦畑や牧草地。風にそよぐ巨大な樹木や古代の遺跡は、まるで時の層を重ねながら、ケルトの記憶を今に伝えているようでした。なかでも印象的だったのは、アーサー王伝説が今なお色濃く残る街・グラストンベリー。街を見下ろす高い丘にそびえるグラストンベリー・トーは、かつて聖ミカエルに捧げられた教会が建ち、大天使ミカエルの聖域とされてきた場所です。

空に抱かれるような視界のなか、頂上を目指すと、そこには空洞化した朽ちた塔が残されていました。建物の中心に立ち、空を仰ぎ見ると、時空の扉の入り口に立ち、吹き抜ける風とともにケルトの神秘世界へ足を踏み入れたような感覚に包まれました。

ケルトの自然信仰は、宇宙の根源的な光と闇から始まり、樹木が導き手となって地上のいのちを守護してきたことに表れています。その教えは、ただの知識ではなく、風や樹々を前にしたときにふっと胸に宿る感覚。私たちに大いなる視点を授けてくれる叡智が、そこには確かに息づいています。あらゆる自然界に神を見出し、そのリズムを敬ってきた私たち日本人の感性とも深く共鳴しています。

旅の最後、グラストンベリーの丘で出会ったクラブアップルの若木。未来へ命をつなぐ「希望」の象徴は、古代から現代へと放たれたメッセージのように感じられました。そしてその実りの赤は、大天使ミカエルの色でもあり、闇の季節を生き抜くために欠かせない「内なる熱」を示しているように思えました。

11月1日「サウィン」。ケルト暦で夏の終わりと冬のはじまりを告げる、新しい年の祝祭。今年の「月の冬じたく展」では、このサウィンに寄せて、初夏に訪れたイギリスの大地で触れたケルトの感性をテーマに、小さな「ケルト祭」として展を開きます。

古代から連綿と続く記憶をなぞりながら、ケルトの光の記憶と、イギリスの暮らしに宿る自然との響き合いに触れながら、季節の扉を静かにくぐるひと時をご一緒しましょう。そしてこの変容の時代に、りんごや赤が教えてくれる「魂の熱」を、自分の中に灯すひとときとなりますように。

どうぞ赤いものをひとつ身につけてお越しください。赤は、りんごの実りであり、炎のあたたかさであり、魂の熱を宿す色です。

2025/10/31 fri – 11/16 sun

Shimokitazawa Store Open
12:00〜18:00
10/31 11/1,2,7,8,9,14,15,16

イギリスでの旅にインスパイアされ、暮らしに光を添える作品やアイテムを、作家のみなさんとともにご提案します。冬の始まりに灯をともすような作品たち。祈りのかたちや自然の恵みを取り入れたアイテムが集い、ささやかな「ケルト祭」を彩ります。

<展示>
吉村藍 「光を結ぶクロス」

<出展>
陶芸家 吉村和美 光の色を纏う器、新作の香りのポット
tricot 赤城美知子 心をほぐすイギリス菓子
布作家 工藤由美 リバティープリントを使った布アイテム
面影book&craft 選書
マヒナファーマシー りんごの新作コーディアルやインセンス

<プログラム>
11月1日
松で編むブリジットクロス 吉村藍

11月1日
ケルトのお話会 谷口みよ子・田中のり子

11月2日
植物のチカラでボディーケア、フラワーカードリーディング体験
飯田夏代・瀧澤香織・田中のり子( essence within project presents )

11月7日&16日
ケルトの樹木のカードリーディング 谷口みよ子

11月9日
冬の整えオイルづくり マヒナファーマシー


月の冬じたく展 展示

展示「光を結ぶクロス」 吉村藍

冬の扉をくぐるとき、人々は手に祈りのかたちを携えました。

麦や松で編まれるブリジットクロスは、暗闇の季節を照らす光のお守り。その中心には「生命の火」が宿り、四隅には〈空・火・地・水〉の力が広がり、自然の息吹を呼び込む守護の印となります。

ケルトの冬祭りに寄り添い、暮らしをそっと見守ってきた小さなオーナメント。「光を結ぶ」祈りのかたちを、どうぞ会場でご覧ください。また、手を動かしながら祈りを紡ぐひとときを分かち合うワークショップもご用意しています。

:: Message

暗闇の中でただひとつの光を待ち望む──その姿は、春を待つ種子のようです。

里山で暮らし始めて間もない頃、一握りの古代小麦を手渡されました。梅雨を過ぎると青緑の穂を揺らし、やがて雪の前に新芽を出すスペルト小麦。雪に覆われながら冬を越え、再び光を求めて伸びていく姿は、しなやかで力強く、心を励ましてくれます。

刈り取った麦でモビールを作り吊るしたとき、心の座標を得たような感覚がありました。ふと目に入るたびに、種子が秘めていた「光を待つ意志」を確かめていたのです。

閉ざされた寒い季節は、内側に深く向き合うとき。その静けさの中で、自分だけの感覚を持ち続けることが、どれほど神聖で奇跡的なことかを思い知らされます。

古代から紡がれてきた祈りの形を、今、自らの手で編み出せること。大切に受け継がれた一握りの麦の種を、次へ託していけること。その一連の営みは、祈りそのものだと感じています。

この地上で過ごすひとときは尊く、光と共にあることをいつでも思い出させてくれる。「光を結ぶアイテム」として、皆さまの日々をそっと照らす存在となりますように。

吉村藍

:: Profile

吉村藍 造形作家
岡山県北・蒜山で、軽やかな感覚を大切に夏帽子を作りながら、陶芸を手がける夫と共に暮らしています。身近な植物を使って、今を暮らす為の静かな祈りの手仕事をはじめました。
Instagram @siu.yoshi


月の冬じたく展 プログラム

手仕事ワークショップ「松で編むブリジットクロス ― 光と希望を結ぶ祈りのオーナメント」

冬の静けさが深まる頃、藍さんの暮らす里山では、やがて雪に覆われる日々が訪れます。その白さのなかで、変わらず緑を湛えて立つ黒松は、とても力強く映ります。

ケルトの人々が春を祈り、麦で編んできた「ブリジットクロス」。今回は、そのかたちを藍さんの庭に根を張る黒松の葉で編み上げます。松はケルトでも「火の精霊が宿る木」と伝えられ、雪の闇にあってもなお希望の炎のように輝くとされてきました。その葉を束ねるクロスは、心の中心に戻れる目印となり、暮らしをそっと見守るお守りのような存在になるでしょう。闇の季節に、そして今という変容のときに、光を映し出す祈りのかたち。自らの手で編むひとときは、静かな祈りの時間でもあります。

完成したクロスはお部屋に飾るオーナメントとして、日々を照らし続けてくれる小さな灯になるでしょう。手を動かしながら、光と希望を結ぶ時間をご一緒しましょう。

:: ワークショップ詳細

日程:2025年11月1日(土)
時間:①12:00〜13:30 ②14:30〜16:00
参加費:4,000円(税込、お茶付き)
場所:マヒナファーマシーストア

お申込み方法:マヒナファーマシーの「お問い合わせページ」より、お名前、メールアドレス、お電話、参加希望時間を記入の上、お申し込みください。

:: 教えてくださる方

吉村藍 造形作家 
岡山県北・蒜山で、軽やかな感覚を大切に夏帽子を作りながら、陶芸を手がける夫と共に暮らしています。身近な植物を使って、今を暮らす為の静かな祈りの手仕事をはじめました。
Instagram @siu.yoshi


月の冬じたく展 プログラム

ケルトの扉をひらく夜 - 守護樹とサウィンのお話会

11月1日「サウィン」は、ケルト暦で夏の終わりと冬の始まりを告げる、新しい年の祝祭。今回の「月の冬じたく展」では、この特別な夜に合わせて、ケルト世界への小さな旅をご一緒します。

入り口となるのは、イギリス・グラストンベリーで出会った風景。ケルトの人々が自然とどのように響き合い、暮らしを紡いできたのか。今回は「花」からさらに一歩進み、森とともに生きた彼らの「守護樹」に焦点を当てます。

大地と空のあいだにそびえる丘の上。アーサー王伝説や聖地の残響が息づく場所で、風に吹かれながら立つとき、見えない世界とつながる感覚に包まれるのです。そこから始まる物語を入り口に、ケルトの人々との語らいをたどっていきます。

古代の人々にとって木々は、単なる植物ではありませんでした。命を守り、叡智を授け、祈りを託す存在。樹木に宿る力や、ケルトやイギリスに伝わる神秘や魔法の物語にふれながら、自然と共鳴する感性を、今を生きる私たちの暮らしに重ねていきます。

お話をしてくださるのは、イギリスの旅をともにされた 谷口みよ子先生 と 田中のり子さん。ケルトの叡智に耳を澄ませるひとときは、まさに大人のハロウィンの夜です。

特別に、サウィンを祝う伝統料理を取り入れた祝いのプレートを囲みます。大人のハロウィン――光と闇が交わる境界で、ケルトの神秘に触れるひとときをご一緒しましょう。

当日は、どうぞ赤いものをひとつ身につけてお越しください。赤はサウィンに灯る炎の色。心に宿る光と祈りのしるしです。

:: 語り手

谷口みよ子(バッチフラワー翻訳者 / 講師)
2005年よりフラワーエッセンス講師・翻訳者、花療法家として、植物の姿や生き方にふれながら、花と心を結ぶ講座を実施。訳書に『エドワード・バッチ著作集』『バッチのフラワーレメディー 植物のかたちとはたらき』(J. バーナード)。
instagram @spacehana

田中のり子(バッチフラワーカタリスト/ 編集者)
衣食住をテーマに暮らしまわりの書籍の編集、雑誌のライターとして活躍。2024年より「よもやま」の屋号でフラワーエッセンスや健康にまつわる活動もスタート。著書に『からだとこころを整える』(エクスナレッジ)がある。
instagram @yomoyamanoriko

:: お話会の詳細

日程:2025年11月1日(土)
時間:17:00〜19:30
参加費:6,500円(税込、プレート+飲み物付き)
場所:マヒナファーマシーストア
お申込み方法:マヒナファーマシーの「お問い合わせページ」より、お名前、メールアドレス、お電話を記入の上、お申し込みください。


月の冬じたく展 プログラム

ケルトの樹木のカードリーディング

ケルトの新年「サウィン」にちなみ、ケルトの知恵が息づく樹木のカードでリーディングを行います。古代のケルトの人々は、山や川、泉や樹木の中に神聖さを見いだし、自然とともに暮らしていました。一年を13の月に分け、それぞれの月にお守りとなる木を重ね合わせていたといわれます。

今回のリーディングでは、その13の守護樹のカードと、それを支える12のカード合わせて25枚のカードを使い、メッセージをご一緒に紐解いていきます。草花が優しく心を癒すなら、樹木はより根源的な力で、私たちを支えてくれます。大地に根を張り、しっかりした幹を通して光とつながる木々の姿は、私たちが現実に根を下ろし、日々を暮らしながら、より高い光の領域へと成長していくことを、静かに教えてくれるようです。

ケルトの新年「サウィン」のころは、一年の見通しについてメッセージを受け取るのに、ふさわしい時期ともいわれています。ご自身のテーマや夢、これから取り組みたいことの方向性を知るために、そして、冬の始まりに、心をクリアに整え、内なる情熱を新たにするために。ケルトの樹木のカードリーディングをどうぞお役立てください。

このリーディングで後押しとなるのは、おもにバッチフラワーエッセンスです。樹木が教えてくれるテーマに合うバッチフラワーをお選びして、ボトルを作りお持ち帰りいただけます。(料金別途)。

*フラワーレメディーは、1936年にイギリスの医師・E.バッチ博士によって完成された、38種の自然のエッセンスです。おもに生命力に満ちた植物の花や岩清水から作られています。私たちが日常で経験する不安やイライラ、怒りなど、さまざまな心の不調和に働きかけ、バランスを取り戻す助けになります。植物の薬効成分ではなく、調和の取れた植物の生命力を生かすものです。

:: ワークショップ詳細

11月7日(金) 13:00〜 / 14:00〜 / 15:00〜 / 16:00〜 / 17:00〜
11月16日(日) 13:00〜 / 14:00〜 / 15:00〜 / 16:00〜 / 17:00〜
リーディング時間:30分
料金:3500円(レメディをお持ち帰りいただく場合は、別途2,500円になります)

:: ファシリテーター

谷口みよ子(フラワーエッセンス講師、訳者、花療法家)

:: お申し込み方法

お申込み方法:マヒナファーマシーの「お問い合わせページ」より、お名前、メールアドレス、お電話、ご希望のお日にちと時間を記入の上、お申し込みください。