からだの声に耳を澄ます / ひろえまり

第2回
身体が教えてくれる。


こんにちは、ひろえまりです。
前回は、「食」についてのお話しをさせていただきましたが、
今回は、私が日々の食事や料理について意識していることをお伝えし、
また、整体師をしていた経験をもとに
「身体とこころ」についても少しお話ししたいと思います。

私が毎日の食事や料理をするとき、大切にしていることがいくつかあります。

「季節感のある食事」
日本は四季に恵まれ、その時々に採れる食材もいろいろ。
調理法も、寒い時期には煮込み料理やオーブン料理、
暑い時期にはさっと炒めたり、短時間ゆでたり、
生で食べたりとバリエーションに富んでいます。
それらを楽しみながら取り入れていくことで、
変化の大きい日本の気候にマッチした食事ができるようになると思います。

「食べたいものを食べる」
「食べる物の選択で心身ともにかわる」ことはお話ししましたが、
行きすぎてしまうと、「これを食べないと」もしくは「食べると良くない」など
食べ物に振り回されてストレスになっていきます。
それより「今、何が食べたい?」と自分に聞いてみることにしています。
もちろん「外から入ってきた情報に影響されて○○が食べたくなってるな。」
「イライラしてジャンクフードが食べたくなってるな」
といったこともありますが、それもよし。
自分がそういう状態だとわかれば、
「じゃあ、イライラの原因は?」と対策もたてられます。
食べてから、胃もたれして後悔しても、
自分で選んだことですから、しょうがない。
それより、食べたいと思ったものが、
すぐに手に入ること自体がありがたいことですよね。
私自身も、通常は野菜中心の食事ですが、食べたければお肉、お魚も食べます。
外食も多いので、白砂糖が入ったものも、おそらく毎日口にしていると思います。
胃腸が疲れた時などは、マクロビオティック料理のように消化がよいものをとったり、
一食抜いたりしてバランスをとっています。

「ていねいに作る」
マクロビオティックを学んでよかったと思うことの一つですが、
食事って、食材のエネルギーだけでなく、
作った人のエネルギーも入るということを実感しています。
同じ食材を使っても、作る人によって、出来上がりの表情も味もかわってくる。
料理の上手下手はさておき、「ていねいに作る」
「食べる人のことを思って優しい気持ちで作る」をイシキしてみませんか。
食材の選択は限界があっても、「これならできる!」というかたも多いのでは?

「料理レシピに頼らない」
レシピをお教えする私が言うのも変ですが、
レシピの文字だけを追って料理すると、失敗することが結構あるんです。
私自身もいまだにあります、特に味つけ。
急いでいるときなど、レシピ通りに調味料をガンガンお鍋に放り込み、
食べたときに「うわ、しょっぱい!」ということも。
反省するに、味付けの際、お鍋の中の状態や、
その分量の調味料でどういう味になるかを想像していないんですよね、そういう時。
レシピがなければ「これくらいかな?」と想像して調味し、
味見をし、お鍋の中と対話しますよね。
これって、実はレシピがあるときも大切。
「人参1本」の大きさも、人参によってマチマチですし、
調味料の味もメーカーによってかなり差があるんです。
なので、レシピを読みつつも、お鍋の中も見てあげること、忘れないでいたいです。


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マクロビオティックの食事を実践して少したったころ、
ご縁あって「からだクリエイトきらくかん」の整体に出会いました。

整体、とひと言でいっても、いろいろあります。
私がきらくかんでやっていた整体は、
「自分で自分の身体をつくっていく」考え方を大切にしています。

整体のやり方も、骨をボキボキっとやってゆがみを調整していくというものではなく、
その方の身体に触れて、ていねいに観察し、
「(腰痛などの)不調の原因はここかな?」をみつけてアプローチしていくというもの。
そのアプローチも、その方が自分でできるセルフケアの方法や、
簡単なエクササイズをお教えすることが中心です。

なぜかというと、不調の原因のほとんどは、
その方の癖からくる、身体の使い方の偏りが積み重なって、
痛みや不具合として出てくることが多いからです。

だとしたら、それを治すには、他人による身体の調整ばかりではなく、
自分で身体の使い方のクセを知り、変えてみるのが一番。
自身で身体を変えていけると、自分にも自信がもてると思います。
身体に不調を感じるとき。
たとえば、肩が痛いとき、腰が痛いとき。
「もう、この肩(腰)が痛くって~!」などと、
つい、その痛い部分だけをみて悪者扱いしてしまいます。
自分の身体ほど、客観的に見づらいのです。

これって、まるで、「私」は悪くないし関係なくって、「肩(腰)」が悪者みたい。
でも、ほとんどの場合、そんな状態の身体をつくりだしているのは自分。
自分を責めるということではなく、
「自分のこういう身体の使い方が、ここに負担をかけちゃってたんだな」
と、自覚するだけで気持ちもラクになり、心身の使い方も変わってきます。
簡単ではないかもしれませんが、
これまでの経験を通して、不調の原因を外に探しているとなかなか好転しません。
仮にストレスなどの外的要因が原因だとしても、
同じような状況をストレスと感じない人もいます。
それをストレスだと感じる自分に目を向けてみることって
とても大切なことだと思います。

大きく言うと「自分のありのままを受け入れる」「自分で責任をもつ」
ということかもしれません。
これを知ってから、私自身、いろんなことがラクになってきました。

私たちの人生、日々、新しいことや思いもよらないことがおこります。
ウレシイことも、悲しいことも。
その時、その時の自分の気持ちと素直に対話し、
そして柔軟に対応して、自然体で気持ちよく暮らしていけたらいいな
といつも思っています。

からだほぐしレシピ

梅雨は明けても、湿気の多い日本の夏。
一日中、エアコンつけっぱなしという方もいらっしゃるかもしれませんね。
気がつけば、身体がだるーくなっていませんか。

そういうときこそ、身体を動かして汗をたくさんかくとスッキリしますが、
この暑さでは、運動するのもつらいですね。
今回は、そんなときにおススメの脚裏ストレッチをご紹介します。
脚裏、つまり、太ももの裏側やふくらはぎをストレッチすると、
意外にも全身がスッキリして、だるさが軽減します。
冷房による冷えで血流が悪くなり、足がむくみやすい方にも特におすすめです。

やりかたはカンタン。
用意するものは、手ぬぐいや、同じくらいの大きさのタオル1枚。
あおむけになって寝て、ストレッチしたいほうの脚を上にあげます。
そこに手ぬぐい(タオル)をひっかけて、端を両手で持ちます。
引っかける場所は、アキレス腱あたりでも、ふくらはぎのあたりでも。
手ぬぐいを持った手を少し手前に引くと、もも裏やふくらはぎが
ストレッチされませんか。

様子をみながら、手をゆるめたり、少し引っ張ったりしながら、脚裏が
伸びる感じを味わってください。
手ぬぐいの位置をずらすと、伸びる箇所が少しかわると思います。
工夫しながら行い、脚をかえて、両脚ともストレッチしてください。
呼吸は止めずに、自然に行います。

あおむけになるので、寝る前にやるのもいいですね。
一日の疲れをとってリフレッシュ。
それでは皆さま、この夏を快適に乗り切ってくださいね!



2013年7月23日

からだの声に耳を澄ます / ひろえまり

第1回
たべることから知る。
たべることからわたしをみる。


こんにちは、今回、セルフケアについてお話しさせていただく、ひろえまりです。
今まで私は、マクロビオティックや整体の仕事をしてきましたが、
それらを通して私自身が「こうしたらより気持ちよく暮らせるかな?」と思ったことを、
今回は「食」を通してお話しさせていただきますね。

「食」に関しては、私は10年ほど前に、家族の病いがきっかけで
マクロビオティックに興味を持ち、実践していました。
一時期はマクロビオティック料理の教室をやっていたこともあります。

マクロビオティックというと、玄米菜食、というイメージが強いかもしれませんね。
それも間違いではないのですけれど・・・
もともとは「イキイキと自分らしく人生をおくるための方法」という考え方ですが、
「そのために何を食べるか」という面がクローズアップされています。
そして、多くの人にとって、穀物、野菜、豆、海藻などを中心にとっていくと
「心身ともにより安定した、おだやかな状態」になりやすいことから、
玄米菜食にとても近い食事のスタイルだと思います。

私がマクロビオティックを知って一番よかったことは
「メニューのレパートリーが広がった」こと。
それまであまり手を出さなかった豆や雑穀の料理もたくさん覚え、
いろいろな新しい食材にも出会えました。
野菜も、ていねいに料理するだけでグンとおいしくなることなど、
得たものはとても大きいです。
そして、食べものを気をつけることで、からだの不調もある程度症状が軽くなることもあります。
花粉症やお肌のトラブルも、食材のチョイスで改善できます。
私の場合は、体調が悪いときはたいてい食べすぎていることが多く。
「何を食べるか」と同じくらい、胃腸に負担をかけない食事量のバランスも
とても大切です。

ただ、「こういうときはこういうものを食べたほうがいい」という知識が増えてしまうと、
逆にそれにとらわれてしまうこともあります。
「これは食べないほうがいい」と食べものを悪者扱いしてしまったり。
しかしながら、人間、「ダメ」と言われると食べたくなるもの。
マクロビオティックを実践していて、もし、以前より甘いものへの執着が出てきたり、
なんか満たされなくって過食気味になったり・・・ということがあれば
ちょっと立ちどまってみましょう。

確かにマクロビオティックでは、肉、魚、卵といった動物性食品や、
白砂糖などをほとんどとらない食事を「標準食」としています。
けれど、「食べてはいけないもの」があるわけではないのです。
食べたいときは、そういうものをおいしく味わって食べてもよし、
体調がいまひとつになったら、穀物や野菜中心に戻してリセットする、
というやり方もあると思います。

人それぞれ体質もちがいますから、必要な食べものもちがうはず。

また、マクロビオティックを実践していても、エネルギー的に偏った食材、
偏った調理法のものばかり食べていると体調を崩すことがあります。
マクロビオティックで大切にしている食材のエネルギーとは。
たとえば、野菜を例にとっても、日本にはいろんな種類がありますね。
マクロビオティックでは、エネルギーを「陰」と「陽」という言葉を使って説明します。
土の中で下向きに成長していくゴボウなどの根菜(陽性が強い)と、
空に向かって広がって成長する小松菜などの葉野菜(陰性が強い)では、
持っているエネルギーがずいぶん違うのです。何となくイメージできるでしょうか?
極端な例ですが、一般的に夏は、陰性のエネルギーが欲しくなる時期で、
そういうときに根菜のように陽性のものばかり食べていると、
季節と身体のバランスがとれなくてからだに熱がこもったり、
体重が落ちてしまったりします。

かくいう私自身も、真夏に、冬に食べるようなメニューばかりとってしまい、
三か月で7キロくらい痩せてしまったことがあります。
ちなみに食べていたものは、圧力鍋で炊いた玄米、濃い目の味噌汁、野菜の煮しめ、
おやつは堅く焼いたクッキー…と、客観的にみるとなんか暑苦しそうですよね。
痩せる、というより、締まるイメージです。
見た目の身体はスリムでしたが、精神的にはキューキュー、こだわりが強くなり
些細なことにイライラしたり、全くハッピーではなかったです。
でもそのときは、そんな精神状態が食事の影響とは考えもしませんでした。
少しして、食事内容をかえていくことで、一年くらいかかって元に戻りました。
後にマクロビオティックの料理教室をやるうえでとてもいい経験でした。
皆さん、体重を落としたいからってマネしないでくださいね。

「You are what you eat」という言葉がありますが、まさにその通りだと実感しました。

もちろん、マクロビオティックはきちんとしたアドバイスに基づいて実践すれば、
治病や精神状態の安定などに大変効果的だと思います。
もし、病気治しなどのためでしたら、専門のカウンセリングを受けられるとよいでしょう。

このように、食べもののもつパワーの大きさを身をもって経験したわけですが、
どうしたら誰もが簡単に、よりバランスよく食べもののエネルギーを
取り入れていけるだろうと考え、私がたどりついたのは
「旬の食材を中心に、その時に食べたいものを食べる」
「(普通に健康なら)からだに良い食べ物、悪い食べ物という判断でなく、
食べたいものを食べられる幸せに感謝」という、ある意味当たり前のことでした。
いろいろ学びながら実践してきたことで、本来の自分が求めている原点に戻りました。

次回は、私が日々の食事や料理について意識しているポイントをお話ししたいと思います。
また、整体を通して感じたからだと心のことについてもお伝えしていきます。

夏の滋養レシピ「夏野菜の味噌漬け」

これからの時期、みずみずしい夏野菜がたくさん出回りますね。これらはからだの熱をとってくれますが、食べ過ぎると冷えやすくなります。そこで、からだを温めるお味噌を使ったお漬物でバランスをとりましょう。甘みには甘酒を使うので、からだへの影響もおだやかです。

~漬け床に甘酒をつかって、出盛りの夏野菜を味噌漬けに~

材料:味噌、甘酒(市販の薄めて飲むタイプのもの)、
お好みの夏野菜(なす、キュウリ、ゴーヤ、新生姜など)

1、味噌に甘酒を加えて好みの甘さにする。
甘酒がない場合は、みりん、砂糖などを使っても。

2、野菜を食べやすい大きさにカットする。

なす、キュウリは、小さめの乱切りや5ミリの薄切り
ゴーヤ、新生姜は2ミリの薄切り、など

3、ポリ袋に野菜と1の味噌だれを入れ、袋の上からもんでなじませる。
味噌だれの量は、野菜100gにつき、大さじ1~2程度。
空気を抜くようにして口をしばり、冷蔵庫で2、3時間おく。

☆ご飯にも合いますが、細かく切って、冷奴の薬味などにも

☆甘酒の量は、味噌と同量ほど加えてもOKですが、塩分濃度が低くなるので、
早めにお召し上がりください。

※今回使用している甘酒は、米と米麹で作ったノンアルコールのものです。
酒粕を使用していませんので、お子様でもお召し上がりいただけます。



2013年7月8日

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ひろえまり

東京都生まれ、O型
山羊座

今のところ、「料理家、カリグラファー」というような肩書きにしていますが、整体師をしていたこともあったり、外資系信託銀行のOLをしていたこともあったり、いろいろやってきました。

料理に関しては、2003年よりマクロビオティックを学び、クッキングインストラクターとして、教室を主宰。その後、2008年まで野菜、豆、雑穀、醗酵食品をとりいれた料理教室を主宰。現在は、定期的な教室は開催していませんが、都内カフェなどで、塩麹、味噌作りなどの出張講座を行っています。

整体師としては、2006年から5年ほど「からだクリエイトきらくかん」で整体スタッフとして勤務。自分で自分の身体を作って行く整体をお伝えする。また、産前産後のお母さんと赤ちゃんの身体と心のケアをするプログラムを多く担当。

からだクリエイトきらくかん

カリグラフィーは、大学在学中より始め、東京近郊のカルチャーセンターで講師を務める。都内ギャラリーにて、1997年より2002年まで5回の個展開催。現在は、「東急セミナーBE 自由が丘校」のカリグラフィー講座講師。担当は、第2、4水曜日、18:30~20:00(講師名、高嶺真理)

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